任意売却エトセトラ

住宅金融公庫(現、支援機構)の任意売却とハンコ代

住宅金融支援機構では、後順位担保権者に抵当権等を抹消してもらい任意売却を促進させるため、いわゆるハンコ代として、
次のように承諾料を定めています。

第2順位

A.30万円

B.残元金の1割

第3順位

A.20万円

B.残元金の1割

第4順位以下

A.10万円

B.残代金の1割

※A.またはB.のいずれか低い額



任意売却では後順位担保権者はどうなるか?

任意売却をするには、すべての担保権を抹消しなければなりません。(一般の売買でも同様ですが・・・)
あたり前ですが、担保権の付いた物件を買う人はいないからです。
しかしオーバーローン(債務超過)では、当然ですが売却代金が後順位の担保者にまで回って、すべての担保権者が十分に回収できるということにはなりません。

担保権には優先順位があります。任意売却の場合でも後順位担保権者に分け前が回らない事が多々あります。
しかし、1円も回収できないのでは意地でも担保の抹消はしない、売却させまいと協力をこばむ担保権者もでてきます。これでは任意売却になりません。

そこで、いくらかのお金を支払って、担保権の抹消に協力してもらう必要がでてきます。
これが担保権解除料(別名、ハンコ代)です。
しかし、この場合のハンコ代には決ったものはありませんから、すべては担保権者次第ということになります。よって、高順位の担保権者の意向が強く反映されハンコ代は限られたものになります。

住宅金融支援機構では、任意売却の解除料を基準化していますが、民間金融機関も、ほぼ同じような考え方をとっています。



【注意】通常の場合は、この基準で収まりますが債権者はいろいろですし、残債の状況もいろいろですから、個別の事情を踏まえた対応を求められます。

不動産任意売却促進法案

政府与党は国会に標記の法案を議員立法として提出することを決定したとのことです。

その内容は、不動産売却に同意した担保権者が末梢の許可を裁判所に請求。その後一か月以内に、売却に反対する担保権者が
1、競売を申し出ない
2、売却予定代金に5%上乗せした金額での買い取りを申し出る新たな売却先を見つけられない
の、いずれかの場合、裁判所が抵当権の抹消を認めると言うものです。

ハンコ代の不当な要求を防ぎ任意売却を促進させることを目的とする制度です。

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